フリーランスへの転向を検討しているんだけど、会社員時代の2倍近く稼がないと実質価値がないって本当なのかな。。。
こんにちはJun(@JunNomad)です。
フリーランスへの転向を検討している方のなかには、タイトルにあるように「会社員時代の1.5倍~2倍稼がないと価値がないぞ!」って情報を目にして躊躇してしまっている方もいるのではないでしょうか。
良く聞く話ではありますが、僕自身これ結構疑問に思っていたので、今回は少し具体的に紐解きながら「なぜ1.5~2倍稼がないと価値がないのか」「中小企業やブラック企業勤務者でも同じ理屈なのか」について個人的な見解をご紹介していきたいと思います。
会社員からフリーランスになるには年収の1.5~2倍稼がないと価値がないのか?!
会社員からフリーランスになるには、年収の1.5~2倍稼がないと価値がないのかという疑問に関してですが、結論としては現状の労働環境によるというのが個人的な見解です。
そもそも大企業と中小企業での待遇が異なる
基本的にこういった話の場合、会社員の定義が、大企業に努めている中小企業などに努めている会社員からすると、高待遇と受けているような会社員を指しているように感じました。
後述するように、会社員とフリーランスの違いは様々ですが、手当や保険・有給休暇などが大きな違いとして挙げられます。
ただ、これら手取り以外の隠れた給与については、会社員の中でも大企業社員と中小企業社員・ブラック企業社員では大きく異なるんですよね。。。
中小企業で想定される手当を受けられている人の方が少ない
ではこういった話で想定される会社員のような手当を受けている社員が過半数以上いるのかというと、個人的には半分以下なのではないかという気がしています。
確かに正社員として定年時まで働けば、従来受け取れると言われていた手当や保障を加味すると1.5倍~2倍の収入が必要という見解は妥当なのかなと感じます。
ただ、現在の日本国内の労働状況を加味すると、多くの人(特に今からフリーランスへの転向を検討している20代や30代)が定年時まで働いて同様の手当や保障を受けられるのは、ごく一部なんじゃないかというのが個人的な見解です。
会社員の実質コストを計算してみよう
ではここから実際に会社員のコストに関して、少し掘り下げて考えていくことになりますが、ここで重要なのが受け取る側ではなく、支払う側の会社としての目線でチェックする必要があることです。
フリーランスになった場合、売上から自分自身へ給与を支払っている形になるわけですから、比較対象としても会社から給与をもらっている自分ではなく、自分に対して給与を払っている会社目線でコスト計算する必要があります。
従業員に支払っているコストを確認してみよう
まずざっくりと従業員に会社が支払っているコストを洗い出してみましょう。
もちろん細かいことを言えばキリがないため、あくまでざっくりと一覧を挙げてみます。
- 給与
- 有給休暇
- 残業手当
- その他手当
- 退職積立金
- 社会保険
- 事業経費
- 福利厚生
給与
みなさんが毎月もらっている給与ですね。
ここでの給与は、手取り額が正しいのかと思います。
額面には後述する様々な手当や保障が含まれるからです。
有給休暇
企業が従業員に払っているコストとして、有給休暇を考慮に入れる必要があります。
有給休暇は一般的に入社半年後に10日分を獲得し、毎年1日ずつ増加されながら、10年後からは毎年20日の有給休暇を取得出来るよう設定されている企業が多いのではないでしょうか。
従業員が働いていない日数にも給与を支払う必要があるため、企業が負担しているコストとなります。
残業・深夜手当
1日8時間以上の労働を行った場合、法律では1.25倍の給与を時間に対して支払う必要があると決められています。
また深夜(22:00以降)に労働している場合にも別途1.25倍の支払いが必要など、通常の給与とは別の追加手当がコストとして掛かることも認識しておかなければいけません。
その他手当
残業・深夜手当以外にも、資格手当や出張手当など様々な手当制度が企業毎に設定されています。
こらら手当についても、従業員が働いている時間とは関係なく、企業が負担しているコストとなります。
退職積立金
定められた条件を満たしている場合、従業員が会社を退社する際に、企業から退職金が給与とは別に贈呈されます。
退職金の積立に関しても、従業員の労働時間とは関係なく企業に掛かるコストです。
社会保険
社会保険は企業と従業員が折半して支払っているというのはご存知の方も多いかと思います。
実際、給料の約15%が企業により負担されているとされており、自分が負担する15%と合わせて30%が社会保険料として毎月支払っているとされています。
社会保険に関しても従業員の労働時間とは関係ない、企業が負担しているコストですね。
事業経費
事業を運営していく上で、事務所の家賃や光熱費・パソコンなどの事務用品、出張費や交通費なども企業が負担しているコストです。
これらもフリーランスで働く場合、自分自身で負担する必要があります。
福利厚生
企業毎に様々な福利厚生制度を設けており、これらの費用に関しても企業側のコストとなっています。
例えば、無料のウォーターサーバー、スナックコーナーの設置、休憩スペースの提供から、飲み会費用の負担など様々です。
中小・ブラック企業会社員とフリーランスのコストの違いを比較してみよう
さて実際に中小・ブラック企業で働く方は、既に上記の手当・保障内容に疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
僕自身のケースを例に確認していきたいと思います。
給与
会社員として働いている以上、中小企業・ブラック企業関係なくみなさん給与はもらっていますよね。
僕自身ももちろん頂いていました。
給与に関しては、フリーランスに転身する方のほぼ全員が同じ条件と考えて良いかと思います。
有給休暇
僕の場合、フリーランスに転職するまでに2社で正社員として働いており、1社目が3年、2社目が2年弱働きました。
1社目を計算すると、3年働いているのでおそらく20日前後は有給休暇を使える権利があったと思いますが、15日前後は未消化で退職していたと思います。
2社目は、2年弱なので10日の有給休暇があったと思いますが、こちらは2,3日のみ消化出来なかったのですが、退職時に有給を使わせてもらえたのでほとんど消化することが出来ました。
僕の場合は、2社合わせるとほぼ1ヶ月分の有給休暇を使えていないことになりますね。
みなさんは現状有給休暇をしっかりと消化出来ている・今後全ての有給休暇を消化出来る見積もりでしょうか?
残業・深夜手当
僕の場合、1社目は残業手当が出たこと1回もないですね。
2社目に関しては、みなし残業制度が採用されており、決められた時間を超えた分だけが残業手当として支払われていました。
深夜手当に関しては、双方ともに支払われていなかったと思います。
みなさんは残業手当・深夜手当キッチリもらっていますか?
その他手当
その他手当に関しては、1社目はもらっていません。
2社目に関しては、技能手当という形でもらっていたと言えばもらっていましたが、その分基本給を下げることにより、残業代が下がることに繋がっていました。
※残業代の1.25倍の計算は基本給を元に計算するため
ボーナスに関しては、貰えたり貰えなかったりでしたね。
みなさんはその他手当を、給与以外で自分に利益がある形で受け取っていますか?
退職積立金
退職金に関しては、多くの企業が少なくとも継続10年以上働いた方に支払っているのかと思います。
僕の場合は、10年も働いていないのでもらえる対象になっていませんね。
給与から引かれていたかは定かではありませんが、引かれていたとすると無駄になってしまったということですね。
みなさんは退職金をもらえる契約となっており、退職金が貰える条件を満たすまで働き続ける予定ですか?
社会保険
社会保険については、1社目・2社目共に支払ってもらっていました。
正社員という形態で働いている方であれば、中小・ブラック企業問わず大半の方が同じ条件かと思います。
みなさんも社会保険には加入していますよね?!
福利厚生
福利厚生は僕の場合、あったと言って良いのか、無かったというべきかという感じです。
というのも、基本的にはありません。
ただ、飲みに連れていってもらって支払ってもらうということは意外と多かったので、福利厚生といえば福利厚生なのかなとも受け取れますね?!
みなさんは福利厚生受け取っていますか?
中小・ブラック企業勤務の会社員でもフリーランスになるなら1.5~2倍の報酬が必要?!
ここまで想定されるコストの内訳と僕自身が受け取っていた待遇を比較しながらご紹介してきました。
結論、僕のような中小・ブラック企業で働いている方にとって、1.5~2倍の報酬なくてもフリーランスの方がお得じゃないですか?!
社会保険と交通費を加味すると、最低限1.3倍くらいに増えればトントンにはなるのかなといった印象を受けました。
エンジニアなら殆どの方が1.5倍以上になるのは簡単
僕自身がフリーランスエンジニアとして働いているため、エンジニアを例といてあげますが、客先常駐のフリーランスエンジニアとして働く場合、実務経験さえあればほぼ全員が1.5倍以上の年収で契約することは簡単です。
僕自身も客先常駐フリーランスとして働いた1社目で、額面で会社員時代の1.7倍くらいになったと思います。
額面なので、正社員時代で言えば、上述している社会保険や手当なども全部含んだ状態を指すことになりますよね。
興味がある方は一旦、フリーランスエージェントとして業界最大手の「レバテックフリーランス」に無料カウンセリングを申し込んで見積もってもらってみてください。
もちろん他のエージェントでも、ご自身に最適なエージェントで大丈夫です。
保障が充実したエージェントも増えてきている
フリーランスに転向することに不安を覚えている方で多いのが、保障が無くなるのが心配というケースですよね。
最近では正社員並みの保障を売りにしたフリーランスエージェントも増えてきているのはご存知でしょうか?
元祖正社員並の保障で注目を集めているエージェントには「Midworks」、まだまだ規模は大きくありませんが独自の特典で注目の「PRO WORKS-プロワークス」など、正社員との垣根は低くなっているのが実情です。
さいごに:会社員からフリーランスになってしまったらサラリーマンに戻れないわけではない
本記事では、会社員からフリーランスになった場合、1.5~2倍の収入を得ないと割にあわないのかといった疑問について、個人的な見解をまとめてみました。
結論として中小・ブラック企業勤務の方であれば、フリーランスに転向することを前向きに検討しても良いのかなと個人的には思います。
もちろん、今回は収入にフォーカスしてご紹介しているため深堀りしていませんが、将来の仕事の安定という意味では正社員のほうが高いのも事実かも知れません。
色々なリスクと現状を加味した上で、一度フリーランスに挑戦してみるのもありなのかなと僕自身は思います。
フリーランスに転向してしまったら正社員に一生戻れないわけでもないので、挑戦してみることも大切ですよ。